ブックメーカーというのは、実はかなり数学と縁が深く、様々な計算式が隠れています。もちろん単なる数字遊びではなく、賭けそのものにも大きく関わるものです。
数式だけ書いてもイメージが湧かないので、具体的な例を挙げながら少し紹介します。 例として、あるメーカーがA、B、Cの3チームのトーナメント戦のオッズとして、A2.5倍、B3.5倍、C2.9倍としていたとします。
このとき、ペイアウト率Pは1/(1/A+1/B+1/C)となります。この例では約97%になります。典型的なメーカーと言えるでしょう。 次に、このブックメーカー自身は、各チームが勝つ見込みをどのように考えているのでしょうか。
これは、合計100%になることを無視して比率だけを言えば簡単で、それぞれの逆数、つまり1/A:1/B:1/Cとなります。この例では、メーカー自身は、各チームの勝率を0.4:0.286:0.345と見ていることが分かります。ただしこれは合計しても1にはなりません。1を超え、この例では1.031になります。
これを合計が1になるように、つまり百分率で示すときに関係するのが実はPなのです。 それぞれの逆数にPを掛けたもの、つまりP/A:P/B:P/Cが百分率で表したものとなります。例では38.8%:27.7%:33.5%となります。足して100%になることを確かめてみて下さい。